r

CANDLE OF THE DEAD

卑屈で後ろめたい日々のカリソメ・ブログ

2012年

02月17日

(金曜日)

『メランコリア』

メンヘラ女の結婚パーティーに合わせ超巨大惑星が地球に大接近、衝突の危機を嘆いたりうっとりしたりする話。

冒頭のくねくねの細い道をなかなか通ることが出来ないリムジンの空撮からもう残念な雰囲気しか感じない新郎新婦。前作『アンチクライスト』による解脱を経てトリアー監督がギンギンに冴えてるのが伝わる素晴らしいファーストカットです。
大遅刻でパーティーに到着するも『レイチェルの結婚』以上にダメッダメな雰囲気をおかん役・シャーロット・ランプリングを筆頭に味付けの濃い人間でてんこもり演出。トリアーギャグがビシバシ決まっていく気持ちよさはまさに圧巻です。新婦が仕事の上司・ステラン・スカルスガルドに食らわす鬼パンチラインとそのリアクション、ゴルフでの奇行に燃えちゃう気球風船等々、惑星が来る前にコチラがうっとりしちゃいます。
うつで情緒不安定なのにこの結婚までこぎ着けたプロセスをいろいろ想像しちゃいますがそれを描いた前日譚が是非観たいですね。パーティー中に上司から昇進の辞令があったり、唐突に本の絵(パンフによると意味が込められてるそう)を一心不乱にパズルのように組み立てたりするので天才肌なのは伝わるので、パーティーでいきなり心の病気が爆発したフウにも取れちゃう。再見時はそのへんのシーケンスを重点的にチェックしてみたいです。まぁ口火を切るのはおかんなんですけど。
それから義兄役キーファー・サザーランドが初めて素晴らしい役者だと感じました。ずいぶん老けて、いい悪態ついてた。もっと義母とガンガンやり合って欲しかった。
リンゴ園をプレゼントした新郎が新婦にその写真を置き去りにされるのと、『ダンサーインザダーク』で車の助席にあった花束を踏まれるジェフさんが同じに見えました。無意識ってマジこわい(笑うところです)。

後半の2部は新婦の姉を掘り下げます。妹のエキセントリックさと逆に普通の常識人なので惑星衝突に普通に慌てふためくのですが、やっぱりここでも渾身のギャグが繰り出されます。非常時に突飛な行動をして全部が無駄だとわかってしょんぼり、最後を迎えるときは家族に囲まれ穏やかな時間を過ごしたいというつまらない願いを一蹴してくれてるようで胸がスッとします。
父親が乗っていったはずの馬が庭のど真ん中にたたずんでる様子を見る子供の顔と、『アンチクライスト』の鹿ちゃんの死産を見るデフォーさんの顔がダブって見えました。どうしようもないべっとりとした不吉さ(笑うところです)。

年齢指定なしでショックシーン少なめですが、すべてを吹っ飛ばす轟音とともに訪れるラストシーンが壮絶に美しいし、日頃から本気で「早く地球滅亡しないかなぁ↓」なんて思ってる自分にとっては満足度が高いものでした。いい役者さん沢山使ってこういうテーマの映画を撮れるトリアー監督は本当に素晴らしいので失言によるカンヌを追放されまた病気になったら更にすごいの撮ってくれるんじゃないかなと思います。『アンチクライスト』に続きラストがとても晴れやかです。今作は苦悩フェチっぷり皆無。観てて全くツラくない。日本も去年震災あったけど人間だけ特別だとどこかで思い込んでるから大きな惨劇を受け入れられないのかもですね。なんて被害・被災者以外口にしちゃダメかな。でもこの映画のラスト同様、テレビに映った津波のパワーも美しく見えちゃった。

プロローグのハイスピードカメラのすごさは2回観ないとわからないのかもしれません。というよりあれはプロローグなんかじゃないですね。

1202170.jpg
新郎と新婦の上司は親子で共演なんだそうです。




エンターザボイドがクソ安くなっててショックです...。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけOK

【お願い】
・テンプレートに関するご質問をされる方は、必ず「質問の心得」をお読み下さい。

 プロフィール 

junpa1

Author:junpa1
ミコンの町から


↑クリック
flying gecko fun
(ヤモリ・カエル飼い)

 Free AREA 

    follow me on Twitter

     月別アーカイブ 

     フリーエリア