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CANDLE OF THE DEAD

卑屈で後ろめたい日々のカリソメ・ブログ

2011年

03月05日

(土曜日)

『アンチクライスト』

去年輸入盤DVDを観てガビーンときたトリアー最新作。ボカシはあるが切株慣れしてようがしてまいが誰もを強烈に傷つける最悪に凶悪なあれもノーカットらしいということで公開初日に行きたかったんですが、ここのところのももクロ地獄と、実家近くのシネコンでかかるということで初日は我慢して、ようやくプレビ伊勢崎で観た(ここはファニーゲームUSA、白いリボン、熱帯魚まで網羅する最先端シネコンの理想型!)。

シャワープレイで盛り上がってる最中に幼い子供を失い、ひどい鬱になった嫁。自称セラピストなので病院から連れ出し、自力で救済しようとする夫の物語。
といいつつDVD初見時は嫁側に比重をおいて観てしまったんです。だから再生しようとする夫婦のお話だと感じ、画的にショッキングなラストに大変落ち込みました。で、当時いろんなレビューとか読んで繰り返し部分的に観たんですが、「男がキリストで女がキリスト相手にいろいろ仕向ける悪魔。だからあの結末からアンチクライストという言葉が浮かび上がる」みたいなフウにいったん(どこかの受け売りっぽく)自分の中で纏まりました。
が、今回訳付を観て全然違う印象を受けびっくり。完全に「夫の物語」だったのでした。とっても気分が晴れやかになった!
嫁が発するある言葉によりピカーッ!っと後光が差すかのように神々しい(実際は薄暗い)シーン。自分が無知で傲慢だったために悪魔に付けられた足かせ。それを取り外す道具を発見したときの開放感。究極に親切で分かり易い表現で、煩悩からの最終解脱、最高のカタルシスを描いてる。去年の個人的ベスト『エンターザボイド』における"THE VOID"というバカデカテロップの上をいく素晴らしい場面です。そしてエピローグ、草の実をムシャムシャ食べる夫の晴れやかないい顔。
トリアーも自分のセラピー的に作ったみたいだし、園子温監督も「爽快な気分」とコメントを寄せてる。自分も仗助の「スゲーッ爽やかな気分だぜ。 新しいパンツをはいたばかりの正月元旦の朝のよ う―によォ~ッ(JOJO4部)」という心持でガラガラの劇場を後にしたのでした。こういう人間賛歌がもっとあっていいと思う。
嫁が鬱になった旦那さんにおすすめ。さらにこじらせて離婚してるなら必見!ということで自分にとっては癒し映画です。すっかり癒された。

で、究極に親切で分かり易い表現と書いておきながらなんで初見時に気づかなかったかというと、やっぱり大問題の最悪に凶悪な切株シーンに引きずられてしまったからです。だから今回はあのボカシのおかげで嫁側に偏らずフラットに観れたのかもしれません。
それからパンフの高橋ヨシキさんのテキストが最高に素晴らしいです。20回くらい読みふけりました。絶対買いです。(他の精神科医と評論家のやつは読まんで結構!イライラする!あんなドグサレ文章は黒く塗りつぶせ!)

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