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CANDLE OF THE DEAD

日々のカリソメ・ブログ

2010年

12月29日

(水曜日)

2010年映画ベストテン

1.エンターザボイド(3)
2.白いリボン(2)
3.バッドルーテナント(2)
4.かいじゅうたちのいるところ(3)
5.冬の小鳥(1)
6.私の優しくない先輩(5)
7.シロメ(2)
8.第9地区(3)
9.ぼくのエリ(2)
10.ハロウィン?(2)


劇場で観た今年公開の新作110本くらいから選びました。
(括弧内は劇場で観た回数)

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2010年

12月27日

(月曜日)

『ばかもの』

童貞大学生がひょんなことから出会った年上女と付き合い、振られアル中になってしまう話。
自分が中高生の頃よく洋服を買いに出かけた、観音様が見下ろす群馬県高崎市が舞台。『サイタマノラッパー1&2』でも無かった、ほぼ標準語なんだけど微妙に外れてる「~だんべぇ」「~なん↑?」「~じゃねぇん↑」を多用してて元ほぼ地元民としてはとても恥ずかしくてもじもじしてしまいました。実家帰るとあんな言葉づかいだよ。
で、それ以上にもじもじしたのがセックスシーン。主人公が真性アル中になる前の前半部分は内田有紀→白石美帆とやりまくる&やったあと場面が多く、特に白石美帆と付き合うきっかけとなる初セックスに突入する直前の感じがとてもリアルで「うわー!!」となります。恥ずかしい。そしてエロ。みんなあんな感じなのか?奥手の男でも「いける」と思う瞬間がすごい出てます。
で特別な不満や不安があるでもなくアルコールにすっかり溺れ、無自覚に暴力を振るった彼女に逃げられ会社は無断欠勤連発なうえ生ゴミ呼ばわりで自主退社、家族には勘当。お昼の再現ドラマのような廃人街道まっしぐら。
ここの恐怖のアル中描写はもっと冷蔵庫がすげー襲ってくるとかギャグすれすれまでガンガンやってほしかったです。実際は飲酒運転で豪快に事故ったり、うなされてパトランプが回るだけ。
終盤は上京した女友達(エロイ中村ゆり)が新興宗教の修行でエライ目に遭ったりと、ケータイ小説みたいにヘンに収束、ドラマチックさに欠けるのでイマイチでしたが、片腕白髪ガールになった内田有紀と再会し悌毛してあげるところはちょっとびっくり。
年上っぽい女の人に殴られたい人は観たらいいと思います。自分も目の覚めるような強烈なパンチ喰らいたい。でもある程度理にかなってないとだめです。いきなり「このゴミムシ野郎が!!」とかはありです。

近くの席にすげー泣いてるっぽいおじさんがいた。アル中出身だったのかなぁ。

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2010年

12月23日

(木曜日)

『キック・アス』

9月にしたまちコメディ映画祭内、映画秘宝まつりで鑑賞。1000人収容の浅草公会堂で満席拍手の大盛況だったわけですが、ツイッターの若干うざいアスアス宣伝が功を奏したのか、あの大体いつも空いてる渋谷シネセゾンが連日の立ち見。ネットで予約してようやく観れました。1週目で翌週に公開規模拡大ってすごい(デジタルだとしても)。

冴えないギーグがヒーローコスプレでビジランテ。その活動がネットで有名になりズルムケ・モノホンヒーローマニアの親子の復讐抗争に巻き込まれちゃう、血まみれ痛快アクションコメディ。
という表ストーリーですが、親子の抗争相手であるマフィアのボスの子供(主人公と同級生)が個人的には裏主役で、とても感情移入できるキャラ。何のとりえもなく親父の所為で友達もできず、マフィアのボスに憧れながらも親に期待されてない。そんな彼が親父のためにコスプレヒーローになり奮闘。主人公の人とヒーロー同士の付き合いをしたり、ラストの展開が超可哀想で泣けます。
というわけで続編は、彼がメチャクチャ悪魔に魂売っちゃってる感じで、ジョーカーばりの悪行をたくさん用意してほしいところです。

あと未読のコミック版との差を同行した人に又聞したのだけども、特にどっちでもいい感じです。読みたいところですが『フロム・ヘル(上巻)』が完全に止まってるので後にします...

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2010年

12月20日

(月曜日)

『モンガに散る』

80年代モンガ(台北の歓楽街)で仲良し5人組が極道になり、大人の覇権争いに巻き込まれ、後半は絆とか義兄弟とか親分襲撃や務めを終えた狂犬が出てきたりで、もうみんながそれぞれ大変な目に遭う悲しい台湾ノワール。142分。

のっけからタイトルが出るまで長回し&スローモーションを使ったボコ殴りアクションをガッチリ見せたあと、義兄弟の杯を交わすまでのかなりクサ目青春描写。それが終わると、ある事情で親分を怒らせちゃって鬼合宿にぶち込まれてしまい、竹やり、刀、短剣の使い方を憶えるというアンチGUNなヤクザ世界が展開。といっても全然ぬるくなくて、人望があって勢力の均衡を保つ役回りの直属親分が、単独で大襲撃に遭うんですがナイフで斬られながらも、すごく落ち着いて、ひとりづつゲタを武器に腕をベキベキへし折っていくアクションは音楽効果もあって、すさまじいかっこよさ。ジョン・ウーが惚れたのも納得。ずば抜けていいシーンです。あと耳が取れたり、接着剤を使ったイヤな拷問なんてのもあって飽きさせません(『ラブゴッド』っていうトラウマ漫画を思い出した)。
で、そんなこんなで、ジョニー・トーの黒社会とは違い、5人組の関係に変化が生じてしまいます。主人公が死にフラグ感いっぱいな約束を相思相愛の娼婦としたり、イケイケで女好きなリーダー格がションボリし、一番キレ者で複雑な事情を持つ坊主頭の動向がだんだん怪しくなって、文字通りモンガに散っちゃう怒涛のクライマックスになだれ込む。
坊主頭を騙すのが組の対抗勢力だけど恩のあるちょっと危なそうな男なんですが、あるシーンでこいつ本当は善人なんじゃないの?とすっかり自分が騙されました。なかなかこういうことって無いんで気持ちよかったです。だから口が裂けてもベタとは言えません。
ラストを含め全体的に青臭く、音楽とかクドイ演出で引いちゃうところもありますが、編集のテンポがつんのめり気味で早いので間延びしてる感じはありません。逆にもう少し見たいんすけど、っていうカットが何箇所かありました。でもキスシーンはやたら長く感じた。
モンガってよく知らないけど、下町の縁日みたいでいい雰囲気の町に見えました。赤色がすごい。

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2010年

12月17日

(金曜日)

『トロン:レガシー』

近所のシネコンに新しいハリポタ公開と同時でIMAXが導入され、それ以来初IMAX体験を心待ちにしてた作品。
物語的内容には『アバター』以上に期待してなかったが、本当にカラッポでその分すさまじい映像と爆音を堪能できた。
まずメガネがXPANDにくらべとても軽いうえに耳鼻だけでなくデコでも支える感じになっていて楽。そして上映前に「IMAXってマジで超すごい」的自慢映像が流れ、これまでの3Dと比べ画面の明るさに吃驚させられます。飛び出し具合、説明アナウンスがとてもアトラクション的で楽しい気分。もうここの時点でワクワク感を味わえただけでも2,200円は高くないかもと思わされました。

映画はカッコイイバイクがバビューンてしたり、プログラム人間が戦ってガラガラガッシャーンと崩れ落ちたり、ダフトパンクのズガズガベベべベな音楽が爆音で流れて楽しかったです。アバターのこれ見よがしクソCGにはとてもイラついたが、こっちのCG大前提の暗闇蛍光世界は全然いけます。
お話とかは超どうでもいいし前作なんか未見でGO。キャラの少なさ、ドラマの無さも頭を使わなくてよくちょうどいい感じ。ドルミナーでグッスリト。派手げなアクションと酒場シーンだけ堪能できる仕様です。あ、でも女の人のボディスーツ姿は眼福。リカームのシーンエロかった。
酒場のオーナーみたいな人はサム・ロックウェルが『アイアンマン2』のときみたいにナメくさった感じでやったらよかったのに。まぁ、なんにしてもIMAXで観れてよかった。
この調子で未来的デビルサマナーか女神転生の映画つくってください。

各社スニーカー合戦やってる中、バートンのスノーボードブーツも
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汐留のバイク展示
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2010年

12月16日

(木曜日)

『堀川中立売』

フィルメックスで入場待ちのとき手売りしてた、ペットボトルを細工したチケット。ようやくポレポレ東中野で使った。半券がおみくじになっていているらしく「信じろ!」と劇中のセリフが印刷されていた。
「ほりかわなかたちうり」。タイトル読みづらいし憶えにくい、内容もUst見たら誰かが「これは感じる映画だ」みたいなこと言っててなんだかメンドくさそう。ハネケ祭りとかでいろいろ忙しいしで、前売り買ったのを若干後悔しつつ最近観たメッチャクッチャ怪作『マクナイーマ』みたいのを期待していったら、思ってたより分かりやすくてストレート。

ロン毛のヒモと胡散臭いホームレスがギャラクシー陰陽師の式神として、ホームレス狩りとかさせてる悪の組織となんとなく戦わせられる話。こう書くと普通の映画のようですが、なんか必要性を感じない理解に苦しむ細かいエピソードがギュっと詰まっててだんだん本筋がぼやけたり急に戻ったり。
主人公は式神の2人ではなく悪の組織が利用している殺人暦のある男。この男が惨い運命にいたぶられ続け、観てるのがつらいと思ったり、その反面オフビートな式神2人はだらだらのんきにやってて、一体どうなっちゃうんだろうという不安を持ったまま特に大きな見せ場もなく終了。『おそいひと』の障害者の人が出てて、例のボイスマシーンで主人公にすごい事を伝えてるところが非道すぎて面白かったかなぁ。

ヒモは以前からなりたい職業No.1でしたが、あんなホームレスもなかなかいいなぁと思ったのでした。とにかく気分次第でたくましく生きていけるってことですかね。ホームレスを演じた山本剛史さんが大好きな役者だからというのもあるけど。

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2010年

12月15日

(水曜日)

『人生万歳!』

厭世シニカルクソじじいのうちに突然若い家出娘が転がり込む話。ウディ・アレン40作目。
まず見る前からタイトルが不安でした。個人的には「人生はどんなにうまいこといっても結局クソだ!」というテーマが魅力だったのに、ハッピーエンドが約束されているのを臭わす感じ。予感は的中で最後は『バッドルーテナント』もびっくりのどうでもいい薄い展開で悪いことしてないのに説教された気分です。うつ病の人とかが観たらいいんじゃないすかね。
じじいが子供を罵倒したり、いろんな人間をそそのかしたり悪態つくのは笑えるけど、完全に普通の喜劇なんでらしさがなかったです。昔の笑い声が入ってるアメリカのドラマショーみたい。あそこはじじいが死んで終わるべき。『メリンダとメリンダ』よりヒドイ、観た中でワースト。

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2010年

12月12日

(日曜日)

『白いリボン』

2回足を運ぶも満席受付終了を喰らって3回目でようやく観れました。1回で話の内容は大体分かるけども、登場人物が多く大変なのでパンフの相関図を見て整理してから連日観た。両日とも超混んでた。田舎から3時間かけて上京してきた友人は上映直前だったためチケット取れず。こんな地味そうな映画なのにパルムドール効果はまっパネェぜ!(自分の分はリピータキャンペーンで前日観終わったときにゲトってた。友人はハネケ祭りの『コードアンノウン』を観たそう。)

第一次世界大戦直前、ドイツの小さい村を舞台に陰陰滅滅なたくさんの事件が数珠繋ぎに発生。そんな「奇妙な出来事」をこの映画で唯一のポジティブ要素的な初々しい甘い恋愛を頑張ってた当時31歳の教師が振り返るというお話。なんだけども、この教師が見聞きしたこと限定なのか不明です。他人のファックシーンなんて簡単に想像できるし、他人同士の関係が悪化する様子や事件の噂を聞いてイメージを勝手に膨らましたエピソードなのかも、というのを匂わす「確かではないかもけど伝えますね」的な前置きがある。相変わらず意地悪。だがそれがいい!その解釈の幅が楽しい。監督曰く「私は客を信用している。客をバカにしたような映画が大嫌い」。あと同じモノクロでも青っぽいのとか茶色とかあるのも謎。

一つひとつの事件は原因や犯人はぼんやり描かれるだけでほぼ投げっぱなし。でも全部論理的に説明できると監督がいってるので一応ひとつの真実は存在するみたいなのでミステリー好きは何度でも見ればいいと思います。でも前提がそういうことなんであまり意味が無いのかも。自己完結でとどめておいてください。
みみっちい犯人や事件の謎なんぞ軽く吹っ飛ばす静かだけども衝撃的なラストシーン(ナレーションすなわちテキスト)が素晴らしいです。なんという語り口。「ほーら、どうですかー!?こいういう時代だったんですよ、サーセンねー!ところで現代のあんた等はどんな感じなのよ!?」という戦慄を覚えるほどのすさまじい説得度の高さにひれ伏し、むかえる恒例の無音エンドロール。味わい深い。もう今年はテキストオチにやられっぱなしです。

あと自分の中だけかもだけどトリアーの『ドッグヴィル』にすこし似てる印象。もっと直接的な陰惨描写が欲しいけど、ハネケ作品にそれを求めちゃダメなんでしょう。常連スザンヌ・ロタールが楽しく罵倒されたり手コキとか頑張ってます。そのシーンと大人にボコ殴りされた子供が間抜けな笛をめいっぱい鳴らすところが笑えます。編集上手。どいつが一番イラついたかを人と話すと楽しそう。自分は当然くそ牧師のくそ野郎。自分のちいさい子供が怪我した小鳥を飼う飼わないの問答のネチっこさがひどい。「聖職者は大体しょーもない人間」論を加速させるいい演技です。シネマハスラーで当たってほしいところです。

武蔵野館でもかかるけど、ここは是非ともでかいスクリーンの銀座テアトルで。基本、画面右横に字幕が出るので、ど真ん中より後方右サイド席が字幕も追いやすくストレスなくいい感じで鑑賞できると思います(1回目は左前で観て疲れた)。
でも2回目観たときはうしろの金持ちそうなおばはんが足元にチラシをたくさん敷きだし、ブーツとストッキング脱いで観てた。あれにはびっくりしたよ。

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2010年

12月06日

(月曜日)

週末鬼

金曜の夜、佐川と黒猫の荷物を受け取り深谷へ帰郷。悪友宅でForumチームのDVD『F**K IT』を見せてもらう。
スティービーの気持ちいい安定感は流石で黒地に白で"SEX"と大きく描かれたソールのボードが超カッコイイ!が、イケイケのジェイク・ブラウベルトも抜け、すっかりジョンジャク(どうしょもない)&ニック(イケてる)中心のチームになりTKに代わるようなヤングブラッドもいない、とてもさびしいビデオだった。ピーター・ラインもいなかった。

土曜。
昼前、深谷駅向かう途中に、若い使えなさそうな警官とだらしの無いスーツ姿の男がチェイスしてる現場を目撃した。
で、旧スノボドギアを持って帰ってきてオク出品。本当にめんどくさいがカネがないのでしょうがない。

『マクナイーマ』という古いブラジルのカルト映画がデジタルシマスターされイメージフォラムにて公開初日。平山夢明大先生と別冊映画秘宝の田野辺氏がトークショーをやるというので渋谷でチケットをゲトってから、ハネケ祭り一発目『セブンスコンチネント』を観るため有楽町へ猛ダッシュ。
前寄りを除いてかなり客が入ってた。ハネケ好きな好事家でもみんなマジョリティな真ん中らへんで固まって観たいんだねぇ。
カップルっぽい人や複数で来た人も全員だんまり&どんより退場。大急ぎで有楽町線、半蔵門線を乗り継ぎ渋谷へ。

『マクナイーマ』トークショーは上映前なのでネタバレできない状況の中、珍しくあの野獣平山さんがちょっと苦しそうに見えました。それ以上にキツそうな田野辺さんがさっさと切り上げようとしたりする場面もあったりしましたが、あまりに荒唐無稽そうな『マクナイーマ』という映画について必死に伝えようとする姿に、今観るべき映画を観に来ているのだなと実感しました。「エバっていい!」らしいです。告知があった12/11の西麻布で行われるトークイベントもいくつもり。
『マクナイーマ』は平山さん曰く「ロデオみたいな映画」、「百科事典をパラパラながめるような映画」ということで、田野辺さんの助言どおり、ムチャな展開にも何も考えずにナレーションに従いながら眺める感じで、なんのフリもなくくるいろんな種類のギャグに大笑いや失笑がおきたりで全体的には楽しかったです。でもすごいヘンテコ具合にどん引きする人も多いと思います。最後のほうに金のかかってそうな楽しい切株プールもあるよ!
あと芸人のチャド・マレーンがおれのすぐ前にいた(たぶん)。チャドが座る直前に目が合ったのでたぶんチャド。シューマッハ似。


日曜。
大人気の映画同人誌「Bootleg」新刊が初売りされる半年に1度のお祭り、文学フリマ。お祭りなのでゾンビJKT+Bootlegの「きゃつら」Tシャツ。
今回はいつも拝見しているブログTHE KAWASAKI CHAINSAW MASSACREのdoyさまとマーリー先生(画伯)親子さまによる「小学生映画日記」もあったりでその超魅力的な購入特典をゲトるため、前回より早めに来たらそれほど多く並んでなかったかと思いきや開場30分くらい前にはやっぱりかなりの列になってた。
目当ての本と特典を無事ゲトって、見本立ち読み室で物色して会場をぐるっと回って、深町先生のサインの列に並んで「ダブル」にサインをいただきました。前回の文フリで「東京デッドクルージング」にサインをもらったんですが、憶えていただいていたうえ握手までしていただき大変感激しました。「ダブル」を持ってうひょうひょしてたら、ゾンビでゴキブリな風貌の自分を哀れんでくれたのか破壊屋ギッチョさんに声をかけていただいたり、近くで「はい、ワッシュです」と電話に出ている方があの「続編映画ベストテン」受付中のワッシュさんだと認識、挨拶させていただいたり、普段見ているズルムケ映画系ブログ・オールスターの方がたくさんでとにかくビビリました。

昼過ぎに有楽町に移動し、初日の昨日は観れなかったハネケ新作『白いリボン』を観に行くもすでに満席。いったん帰る。

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とっくに売り切れだよ!ばかー。ちなみに前回のアフター文フリは『ローラーガールズダイアリー』前々回は『ビグバグズパニック』を観たのだった。

夕方は渋谷タワレコでレッツ、ももクロちゃん!クラブっぽいところで観るももクロちゃんは新鮮かつ激しいライティング効果(怪盗のブレイクでストロボとか)もあってキレまくり。あの運動量で5曲ブッ通し。ステージもすごく近くて言うことなし!
れにちゃんは、死んでるセミが口の中に入ったり、セミが背中にぶつかってきて死なれたあげくそれを見てた知らない沢山の人に笑われたそう。ほんわかオーラを放ちながらしゃっべてた。かわいい。


◇文フリ戦利品
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蛆虫プロダクションさんの「愛しの殺人映画批評」のスナッフフィルム、香田さん首切り事件からの『マーターズ』評が素晴らしい!これで200円!(ノエの『アレックス』も褒めてるよー!ステキ!)


2010年

12月02日

(木曜日)

『冬の小鳥』

ある日突然親父によそゆきの服を着せられ、カトリックな孤児院(児童施設)にぶち込まれてしまう9歳の女の子。受け入れ難い現実に反抗的な態度を示しながらもなんとか頑張っていく話。『オアシス』『シークレットサンシャイン』のイ・チャンドンがプロデュースといことで公開終了間際に岩波ホールへ滑り込み。

シンプルで派手さを抑えつつも、一つひとつの小さなエピソードがとても印象的でじっくりしんみり。
夜ブンむくれた所為で朝ひとり桶のお湯使って洗髪するところの湯気の美しさとか、わけもわからず番号札持たされ写真を撮られる場面の背中ショットからの無の表情。開始15分で涙腺が限界をむかえました。マグマのごとく沸騰した怒りを面倒見のいい先輩との交流でなだめ、だんだん笑顔を見せるようになったり、怪我をした小鳥を夢中で介抱するなど次第に施設に溶け込むも、「養女なんかクソくらえ」精神は曲げず親父を待つ。そんな頑なな姿を冬の寒々しくもきれいな風景が際立てます。1975年という設定ですが、衣装が自分が幼稚園行ってたくらいの時代を感じるノスタルジックな雰囲気。
脚本を書いた監督が実際に養女で、施設に入れられた喪失感や反抗心、微かだけど強い希望を持ち続けるというところは実体験のことみたいで、その複雑な感情をあんなに小さな子がまったく胡散臭くなく演じてるってすごいと思いました。今年の1番の女優はリリー・コールでもズーイー・デシャネルでもキャリー・マリガンでもクロエでもなく、この映画でジニを演じたキム・セロンなんじゃないすかねー。そして我が子を捨てる父親役が『オアシス』のソル・ギョング。ほかにもチャンドン組が力を合わせて完璧な映画にしてると思います。邦題もTIFF公開時の『旅人』より的をいていて、あの大人が入れない鳥かご的な逃げ場所がとても効いてる。
監督がインタビューで「今の私の人生があるのも両親が私を捨てたおかげです。」とパンチのきいたことを言ってて前に進むことの素晴らしさが伝わります。
あとタールマンみたいに歩く年長の恋するお姉さんも出てくるよ!

でも上映開始直前にドスンと自分の隣にすわった初老の作業着来た方は、パンをむしゃむしゃ食った後、全編フル寝をメイク。いびきがひどいのでヒジで突きながらの若干めんどくさい観賞だったけど映画の評価にはまったく影響しません。大傑作。




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Author:junpa1

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