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CANDLE OF THE DEAD

卑屈で後ろめたい日々のカリソメ・ブログ

2010年

08月28日

(土曜日)

『カラフル』

せっかく死んだと思ったら、強制的に自殺した中学生にボディジャックさせられいろいろひどい目に遭う話。体験メニューは、クラス内のいじめ、クラスメートの援交、付きまとうめがねブサイク、頼れないだめ大人たち、さらに滅んだはずのナイキ狩りまで出てくる。
こんなしょぼい世界でやさぐれ気味になる主人公。こいつが一体何者なのか、宿主の中学生の行きつくところはどこなのか、この二つが十分推進力になってて時間を感じさせないんけど、後半の「やっぱり家族って超いいよね~、実はみんなで思いやり合ってて超最高だし、とにかく家族は有無を言わさず素晴らしいんだよ!素晴らしくないわけないじゃん!」という壮大に押し付けがましい思いやり茶番劇で激冷め(音楽もドイヒー)。でも茶番のとどめにオカンが言うセリフが面白すぎて思いっきり吹いてしまった。みんなすすり泣いてるのに。たっぷり絞ってもらえ!あの食卓がまったく羨ましくならないからだめなんだよ。
カラフルというタイトルは、もし自分がからっぽ人間だというのを自覚しちゃったとしても、周りの人間によって満たされた感じになっちゃえばいいじゃんかよという意味だと思いました。だって誰もタフネスの方向に向かわない。あの天使(死神だろ)以外は。あいつの過去が猛烈に知りたい。さぞかし暗黒なんだろな。

存在を肯定しまくったり、人生に意味を持たせたがる映画とか本はいっぱいありますが、これは全然だめだ。そういえば大絶賛だった河童のやつもだめでした。




2010年

08月24日

(火曜日)

『バチアタリ暴力人間』

白石監督が心霊ドキュメント撮影現場にまぎれた危険な二人の男に脅され続け、『オカルト』より爽やかな無我の境地にたどり着くモキュメンタリー。すごい評判の『暴力人間(’97)』(同時上映)のセルフリメイク。
『シロメ』以上に規模が小さい、アップリンクファクトリーで3日限定公開ということでチラシすら手に入れられなかったレア上映がもったいない強烈な作品でした。嗚呼不憫だ。
薬と殺人以外の悪いことは大体やってそうな2人組の大暴走により、すごい振り幅のいろんな自分の気持ちを味わえて、最後は大合唱したくなる曲"男道"で痛快に締まる。
劇中すごい煽ってくるので大声を出せなかった自分がみじめ。その分サントラCD付パンフ買ってウチで歌います。DVDは販売版よりレンタルが先でもう並んでる。絶対必見。




2010年

08月17日

(火曜日)

『シロメ』

6人組週末アイドルのももいろクローバーが、TV番組で人がいっぱい死んでいる心霊スポットへ強引に紅白出場祈願しに行くモキュメンタリー。『ノロイ』、『オカルト』の超信頼できる白石晃士監督なんですが、今回アイドルとタッグということであまりムチャやらしてもらえないんじゃなかろうかと若干不安でした。が、フェイクものとしては『フォースカインド』以上にメチャクチャやっててもう何もかもが最高だった!

『オカルト』でもやってたカメラが捕らえちゃった正体不明のへんなものがド派手にアクション。今回は大量のオーブa.k.a.玉響が出てきます。
それからドイヒーなポルターガイストに大爆笑。溜めとタイミング、リアクションのすべてが超絶に素晴らしく、それに対するつっこみがないのに強烈なギャグにもなっている屈指の名シーンです。
ももクロちゃんの紅白出場に掛ける胸を打つ頑張り、脇役の怪談師や浄霊師のカマシ(アイドルの目の前でゲロ)、白石監督のヘタレ感、『スペル』ばりに出るかっこいいエンドタイトルなど見所だらけの映画なのに夏休み限定公開なんてもったいない!超痛快作。





2010年

08月15日

(日曜日)

『トイストーリー3』

予告でグッときていたもののスルーしていて、先に観てた趣味の似ているボンクラ友人に感想を聞いたところ、「まぁ観なくてもいいんじゃね」と返ってきた。でも超ボロ泣きとかしたいぜ、と思って期待してみたところ普通だった。結局観なくてもよかった感じ。
『1』公開時はおもちゃブームど真ん中で内容よりおもちゃをチェキりまくり、『2』時はそのブームもすっかり冷め、内容もぜんぜん覚えてない。その後まったく見返してない程度の思い入れだから、思ったより感動がなかったのかも。
おもちゃを含む物質社会との壮絶な逸脱を描いたハネケの『セブンスコンチネント』は号泣できるんだけどなぁ。
でもビッグベイビーがブランコ乗って月を眺めてるシーンがとてもよかったです。『殺人犯』といい子供が絵的にひどい目に遭うシーンって本当に楽しいですよね。

2010年

08月14日

(土曜日)

『キャタピラー』

乱歩の芋虫をモチーフ程度に使った大味な反戦映画。
芋虫は『乱歩地獄』でも原作とかなり違うSMダルマ男ものとして映像化されたが、本作は中盤くらいまではなかなか原作に沿っていていい感じだっただけに、後半の畳み掛けるおおざっぱな戦争反対っぷりにゲップが出た。エンドロールでの映画前半の描写をまったく無視した(芋虫とは無関係な)元ちさとの歌もしっかり字幕付でとなりのおばさんは号泣でしたよ。
一番違和感を感じたのは、軍神芋虫さんの死に方。


以下ネタバレ。
自殺は自殺なんだけど戦争が終わって軍神としての存在意義の喪失&戦地でしたことへの罪の意識に襲われ死んだ弱くてかわいそうな人扱い。執拗で軽い強姦モノローグ。どうやら「彼もまた戦争の被害者だったのだ!」って言いたいみたいです。くそつまんない。しかも真昼間にしょぼい水溜りみたいなところで浮いて死ぬ。ダサイ。見た目も特殊メイクでブックブクにしてフリークス感をもっと出して欲しかったです。

監督の心意気で普通の映画より料金が安く設定されているのは大変すばらしいんですが、スマートで美しい丸尾末広の漫画版がおすすめです。(『薔薇色ノ怪物』にも芋虫を基にした短編アリ)
ちなみに舞台挨拶時も監督が反戦を猛烈に訴えていた。

2010年

08月12日

(木曜日)

『テコンV』

去年のしたまちコメディ映画祭でかかった韓国の伝説的(らしい)ロボットアニメ。古い作品みたいですがデジタルリマスター版で音も新録なのでキレイです。
優れた頭脳を持ちながらも見た目で馬鹿にされたがために、ロボットで世間に復讐する天才物理学者の博士と、それをぶちのめしたり、ぶっ潰したりして平和な世の中を作るという破壊神のような設定のテコンドーロボットの戦い。
悪博士の使者であり、早く人間になりたいと叫ぶ女型アンドロイドの役回りが悲劇的で涙と笑いを誘います。口がひん曲がってて小憎たらしく見えるのはご愛嬌。ヤカンをかぶったくそガキのほうが行動もキンキン声も全部がイラつきます。役に立たないのに主人公にまとわりつくだけのキャラって日本のアニメでもよくいますね。
字幕Ver.を観ましたが、吹き替えだとまた違う印象なんだろなと思いました。

2010年

08月07日

(土曜日)

『ザ・ロード』

灰色の死滅した土地をひたすら南へ向かうだけの親子の話。
どん詰まり感が凄まじく、もういつ死んでもしょうがないので緊迫感が持続しない。ずっとこんな調子なので読み進めるのが大変苦痛だった原作を読んでから観た。
極寒&雨ばかりで昼も真っ暗い閉店気味の世界が、映像になってしまうとカタストロフィーな荒廃さが美しく見えちゃったので、原作を読まないで観ればよかったなぁと後悔。大して寒そうでもないし雨もほとんど降ってないし。一昔前の車の海外ロケCMみたいで、もうこれはア(↑)コガレな光景ですよ。引きの画はあんまり要らなかったと思います。
で、原作以上に緊張感がないのですっかりリラックスしてしまい、中盤以降はちょいちょい寝てしまうというダメ観賞。やるせなくて印象的なはずの親子の会話もあんまり憶えてないなぁ。
悪名高い『ミスト』のラストの選択に腹を立てた人にはオススメだと思います。自分は『ミスト』が大好きなのでこっちのラストは「ふーん」という感じでした。"善き者"としてタフさを身に付けるより、エコとかコネとか立ち回りの方が大事にされる今の世界に響くといいですね(主に子供に後ろめたい事してる親に)。


2010年

08月03日

(火曜日)

『インセプション』

夢をつくってキツイ縛りの中で呪縛とか虚無とか考えながらいろいろ頑張る話。
どうでもいい予告をなんべんも見せられてたし、ノーランだしで全然期待してなかったのがよかったのか、楽しかったです。
冨樫漫画みたいな無理のないルール設定の中でやんやかやって、ラストに嫌な余韻を残す。こういうの好きです。
が、夢ルール的にしょうがないのかもですが熱いバトルがないのがちょっと物足りない感じです。最近のJOJO7部『スティールボールラン』が漫画でしかできないことやってるなぁと思ったんですけど、この映画観て映画でもD4Cみたいな表現ができるんじゃないの?と感じました。『アバター』みたいなくそ進化よりこっちを支持します。
リンボー(訳は「虚無」)って言葉を使ってるのに、あんまり意味はないのかな。



2010年

08月02日

(月曜日)

『パラレルライフ』

超美人な妻にかわいい子供、金も豪邸も車もすべてを手に入れた若いのに凄腕な判事さん。いきなり自慢の妻が何者かに惨たらしく殺されてがっくり。なんやかんやで30年前に自分と同じ運命をたどった人がいると女記者から教えて貰うが、そうなるとシナリオではどうやら次は子供が殺される番みたい。まわりは怪しいやつだらけ。とにかく犯人探しを頑張ろう!というめんどくさい韓国スリラー。
リンカーンとケネディで知られてるらしい平行理論を題材にしてますが、単純に運命がもう決まっちゃった(未来がわかってる)男の悲劇。子供を守るために後半はバタバタするわけですが、衝撃の新事実がたくさんでもう大変です。が、最近同じアジア映画の『殺人犯』の真犯人のインパクトが強すぎてあんまり印象に残らない感じ。弁護士が主人公の『セブンデイズ』みたいなのを期待したんですが、ああいうドス黒く後を引く恐ろしさはなかったです。運命に立ち向かってねじ伏せられると思ってる(それすらも運命の内だと思えない)人にはおすすめです。きっと最悪のラストをむかえられると思います。
あと『チェイサー』の悪いやつがすげーダサイ感じで出てくる。

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2010年

08月01日

(日曜日)

『告白』

今更超ロングラン中の賛否両論真っ二つ映画。
午前十時映画祭『激突!』を観た後ちょうどタイミングがあったので、自分はどっちか試したいという興味本位で観てみた。まだ満席でした。

シングルマザーの教師が、一人娘を自分の生徒に殺されたので、陰湿な復讐をぶっかます話。
色味を抑えたダセー映像とかモノローグでいっぱい説明するのがショボイとかの前に、復讐者の松たか子がいろいろ不自然で全然感情移入できない。冒頭でターゲットをびびらせるためなのか、クラス全員相手に余計なことまですげーしゃべる。超リスキー。ハーコーさと勢いがなくばかにしか見えないし、実際新任のばか教師を復讐のために使ったりするのでばかという設定なんだと思う。
こうなると標的となる生徒が返り討ちして映画を盛り上げてくれたらと応援したくなるところですが、こっち側もなんだかグダグダやっていて芯がない。超過保護で育ったマザコンくんはなんとなく精神異常で自爆。もう一人、期待の天才くんは女とちんたら遊んだり、ショボイネットリテラシーぷりで自爆。『デスノート』のキラくらいやってくれないとつまんない。
と、みんなばかでちっとも盛り上がらないんですが、そのへんひっくるめて一番大人げなく都合が良すぎる松たか子が最後にいう言葉がこの映画全部を否定してると思ったので、最後まで観た自分が一番ばかにされた気分で最悪です。




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